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2008年10月 9日 (木)

山頭火を愛して

種田山頭火--明治15年十二月三日、山口県防府市に生まれる。本名は、種田正一。明治37年、早稲田大学を中退。萩原井泉水に師事。大正十四年、出家。九州、中国を中心に托鉢の旅に出る。行乞の旅の中、その生活を句に詠む。昭和15年10月死去。

二十歳の時、書店で手に取った「俳人山頭火」。最初の写真のページを見て、頭の中の、ある記憶が疼いた。小学校の時、何かの漫画雑誌に載せられていた「お坊さん」のマンガ…。子供たちに乞食坊主と嘲られて、石をぶつけられ、それでもお経を読みながら旅をするお坊さん…あのマンガの主人公はこの山頭火ではなかったか。

そして私はこの本を買い、それから丸二日、山頭火の人生とその中にちりばめられた彼の魂の叫びである自由律俳句の世界に耽溺した。以来、十五年、褪せることなく彼の句は私を魅了し続ける…。

シビアに見るならば、彼の人生は我が侭放題だった。自らの苦難や課題に対して世間的な対峙をすることなく、己の世界に逃避していたとも言えるだろう。そう、まさに「愚を守った」人生だった。しかし、人は誰しも弱い。その弱さを肯定しつつもがき、苦しむ。その魂の記録を彼は残した。悲しいまでに自己愛と自嘲にあふれた彼の句は、人の心の寂しさと弱さを揺さぶり続ける。

分け入っても分け入っても青い山 ~煩悩の深さ~
うしろ姿のしぐれていくか ~限りない自嘲~

【山頭火の本】(私が読んだ本)
作品集
(句集)「草木塔」
(行乞記)「あの山越えて」「死を前にして歩く」
(其中日記)「山村庵住」「ふるさとの山」「一握の米」
「ぐうたら日記」「みちのくまで」「酒のある人生」「貧乏の味」
(その他)「風来居日記」「一草庵日記」「随筆」「書簡」
「研究と資料」「句と言葉」

※以上全16巻は「山頭火の本」として春陽堂から出版されていたもの。なお、平成元年には、これらは写真入りの文庫本として再出版された。

伝記・評論など
「俳人山頭火」
「放浪の俳人 山頭火」 村上護(講談社)1988
「山頭火虚像伝」 木下信三(三省堂選書)1990
「種田山頭火 漂泊の俳人」金子兜太(講談社現代新書)1974

漫画
「ヒッピー俳人 山頭火」 旭丘光志(松文館)
「文芸コミック 山頭火傳」前後編 丈卓也・せりふみこ(主婦と生活社)

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